上渡村(読み)かみわたりむら

日本歴史地名大系 「上渡村」の解説

上渡村
かみわたりむら

[現在地名]岡崎市わたり

矢作川右岸沿いの沖積低地の低い自然堤防上に位置する。通称鎌倉街道は当地より渡河し、対岸六名むつなから低い台地を通り、矢作東やはぎひがし宿に入る。北野きたのより大門だいもんへのかみの渡に対して、下の渡といわれる中世の交通要地である。近世を通じて岡崎藩領で川西手永に属した。もと渡村で、寛永郷帳高七四三石余。その後、上下に分れた。宝暦一二年(一七六二)の村高五六三石余。享和二年書上には人別二六九人、うち男一三二・女一三七、馬一匹。岡崎城下伝馬てんま町高札場まで一里一五町余と記す。

北端に、平安時代初期の創建と考証される能光のうこう廃寺跡があり、礎石・礫敷石・古瓦の遺物がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android