上石森村(読み)かみいしもりむら

日本歴史地名大系 「上石森村」の解説

上石森村
かみいしもりむら

[現在地名]山梨市上石森

上神内川かみかのがわ村の東、小原東分こばらひがしぶん村の南にあり、笛吹川の支流おも川が村の南を流れる平坦地に広がる。上石盛村とも記した。「一蓮寺過去帳」に載る文明元年(一四六九)一〇月三日の眼阿弥陀仏に石森と注記される。同七年三月八日の駒井信久寄進状(大善寺文書)では、西石森の内で五〇〇文が大善だいぜん(現勝沼町)領とされ、「高白斎記」大永六年(一五二六)正月にも「石森西ノ方」へ新三郎が行った旨の記事があるから、当地は西石森と東石森に分割されていたと考えられるが、東石森の使用例はない。永禄四年(一五六一)の番帳に載る「石森之禰宜」は近世の上石森・下石森両村の氏神である下石森の熊野権現(現山梨岡神社)神職をいうが、天正五年(一五七七)閏七月一八日に牛奥与三左衛門尉(昌茂)が与えられた、長篠の戦で戦死した兄兵部左衛門尉の本領石森内六〇貫文は(「武田家印判状写」記録御用所本古文書)、武田氏滅亡後の同一一年閏正月一四日の徳川家印判状写(同古文書)では上石森内六〇貫文と表記されており、東・西に分割されていた当地は戦国末期には上石森・下石森と表示されるようになったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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