上秋津村(読み)かみあきづむら

日本歴史地名大系 「上秋津村」の解説

上秋津村
かみあきづむら

[現在地名]田辺市上秋津

下秋津村の北東、秋津川(現右会津川)の中流域に位置する。「続風土記」に「村散在して字多し、小名二あり、村の西十町余にあるを左向さこ谷といひ村の南十三町許にあるを久保田くぼたといふ」とある。弥生時代の遺跡であるヤマンダ遺跡・河原かわら遺跡・高地山たかじやま遺跡・山田代やまだだい銅鐸出土地・久保田口銅鐸出土地などがある。また当地与助よすけは「万葉集」巻七に

<資料は省略されています>

などと詠まれる人国山の所在地に比定され、人国山は後世の歌学書に紀伊の名所とされている。また奈良時代の火葬墓与助遺跡がある。さらに村域東部高尾たかお山の中腹に平安時代の高尾山廃寺跡・高尾山経塚群が所在する。中世秋津庄として推移、年不詳の熊野本宮神領覚書(「改訂熊野三山経済史」所引)にみえる「十二町 八講領 秋津庄」の所在地を当地の久保田地域とする説(上秋津神社史)があるが不詳。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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