上窪田環濠(読み)かみくぼたかんごう

日本歴史地名大系 「上窪田環濠」の解説

上窪田環濠
かみくぼたかんごう

[現在地名]安堵村大字窪田

大和川北岸に残る大和で典型的な環濠屋敷(中氏・石田氏)。屋敷は二重の堀に囲まれ外堀の内側は竹藪内堀が鉤手に屋敷を取巻く。南側外堀は消滅したが、中世土豪の平城式居館の姿をよく伝える。

中氏はもと足立氏を称し現三重県鈴鹿すずか市の土豪と伝え、足利尊氏に従って大和に入り窪田の姓を名乗ってこの地に居館を定めた。のち明徳二年(一三九一)中氏と改めた。筒井一族武士として活躍、興福寺一乗院領窪田庄名主職にあり、多くの名田を有した(石田家文書)。筒井氏の伊賀国替に同行せず帰農し、現在に至る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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