朝日日本歴史人物事典 「上遠野富之助」の解説
上遠野富之助
生年:安政6.10.19(1859.11.13)
明治大正期の実業家。出羽国(秋田県)生まれ。『秋田日報』の記者となり,のち上京して東京専門学校(早大)を卒業。『郵便報知新聞』の政治記者時代,奥田正香の知遇を得て明治26(1893)年名古屋におもむく。以後,奥田を補佐し,明治銀行,日本車輛製造,名古屋電力(東邦電力),名古屋瓦斯(東邦瓦斯)など同地の有力企業の設立に参画し,役員を兼任。奥田系資本グループの形成,発展において,奥田の補佐役的存在であった。42年より大正10(1921)年まで名古屋商業会議所の副会頭,続けて昭和2(1927)年まで会頭を務めた。<参考文献>杉浦英一『中京財界史』,林董一『名古屋商人史』,和田一夫・小早川洋一・塩見治人「明治40年時点の中京財界における重役兼任」(『南山経営研究』6巻3号)
(小早川洋一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報