上顎洞(読み)ジョウガクドウ(その他表記)maxillary sinus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上顎洞」の意味・わかりやすい解説

上顎洞
じょうがくどう
maxillary sinus

上顎骨の中にある副鼻腔のうち最大の空洞で,上顎骨の形にほぼ一致しているが,先端が頬骨突起のほうに出ているので錐体状に近い。鼻腔に通じる大きい不規則形の開口部 (上顎洞裂孔) があるが,口蓋骨の鉛直板,下鼻甲介などによって一部がふさがれ,細長い管となって半月裂孔を経て中鼻道に開いている。上顎洞の下壁には上顎の歯根が接しているので,歯根の病変が波及しやすい。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の上顎洞の言及

【頭骨】より

…上顎骨maxilla上あごの中にある1対の骨。中央部を〈体〉といい,その中には上顎洞という空間があって,うつろになっており,副鼻腔の一つをなしている。前面には眼窩下孔があり,同名の溝と管との開口部をなしている。…

【副鼻腔】より

…医学的には〈ふくびくう〉と読む。鼻腔と交通していて,周囲の骨の中に発育した,空気で満たされた空間(含気腔という)をさし,上顎洞,篩骨(しこつ)洞,前頭洞,蝶形(ちようけい)洞の四つが顔面の各側に存在する。副鼻腔も年齢とともに発育する。…

※「上顎洞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android