下げ墨む(読み)サゲスム

デジタル大辞泉 「下げ墨む」の意味・読み・例文・類語

さげ‐す・む【下げ墨む】

[動マ四]《名詞「下げすみ」の動詞化
墨縄を下げて、柱などの傾きを調べる。
「城の南北を―・み給うて」〈太閤記・一〇〉
おしはかる。思量する。
「人ヲ―・ム」〈日葡
「何にも余分をおきて―・むべきものなり」〈咄・醒睡笑・七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「下げ墨む」の意味・読み・例文・類語

さげ‐す・む【下墨】

  1. 〘 他動詞 マ行四段活用 〙 ( 「さげすみ(下墨)」を活用させた語 )
  2. 下げ墨をする。柱などの傾きをしらべる。
    1. [初出の実例]「おし直す工もいさやすみがねにさけすむ月のかたぶきにけり」(出典:七十一番職人歌合(1500頃か)一番)
  3. 人物物事をおしはかる。推量する。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「さるに、かの鵜師いでてさげすみけるやう、『家見のはじめに、ただ何をか参らすべき』」(出典:仮名草子・仁勢物語(1639‐40頃)下)
  4. さげすむ(蔑)
    1. [初出の実例]「五作の笑調子が如何にも下墨(サゲス)む様に聞こえたので」(出典:骨ぬすみ(1899)〈広津柳浪〉九)

下げ墨むの語誌

の意から転じて人物などを評価することをもいうようになった。さらに判断した結果マイナスの評価をすることから「さげすむ(蔑・)」の語が成立した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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