蔑む(読み)サゲスム

デジタル大辞泉 「蔑む」の意味・読み・例文・類語

さげす・む【蔑む/×貶む】

[動マ五(四)]《動詞「下げ」から派生した語》他人を、自分より能力人格の劣るもの、価値の低いものとみなす。見下げる。見くだす。「―・むような目つきで人を見る」
[類語]嘲る見下す見くびる侮る見下げる卑しめる貶める嘗める辱める虚仮こけにする馬鹿にする泥を塗る愚弄翻弄嘲弄軽蔑軽侮自嘲侮蔑侮辱陵辱蔑視

さげし・む【蔑む】

[動マ四]さげす(蔑)む」に同じ。
笠田耳語ささやくのを―・む様に眺めていたが」〈小杉天外・初すがた〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「蔑む」の意味・読み・例文・類語

さげし・む【蔑】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行四段活用 〙 ( 「さげしみ(下墨・蔑)」の動詞化 )
    1. 批評する。とやかく言う。
      1. [初出の実例]「下墨(さげすみ) 物を評論して見る事を下墨て見ると云。番匠が直を見るとて、墨斗の糸をさげて見るにたとへたり。さげしみて見る、又さげすうて見る、並に誤」(出典:諺草(1699)左)
    2. さげすむ(蔑)
      1. [初出の実例]「そこ 人をさけしむ心なり」(出典:匠材集(1597)二)
      2. 「人にさげしみ疑はるも、生素性のさもしきゆへ」(出典:浄瑠璃・井筒業平河内通(1720)三)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「おとしむると読り さげしむると世俗に云事歟」(出典:言塵集(1406)三)

さげす・む【蔑・貶】

  1. 〘 他動詞 マ行五(四) 〙 ( 「さげすむ(下墨)」から転じた語 ) 他を、自分より価値の低いものと見て、軽蔑する。見下げる。見くだす。さげしむ。
    1. [初出の実例]「北条家の松田、大道寺を始、信玄公の、氏政をさげすみ給ふと、せうしく存ずる也」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品三二)

蔑むの語誌

→「さげすむ(下墨)」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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