下久原村(読み)しもくばらむら

日本歴史地名大系 「下久原村」の解説

下久原村
しもくばらむら

[現在地名]周東町大字下久原

玖珂郡の西部、玖珂盆地の西に位置する。南は上久原かみくばら村、北は川上かわかみ村に接する。萩藩領、熊毛宰判に属す。

下久原村は近世初期にそれまで椙杜すぎのもりとよばれていた地を分割してできたもので、久原村としては「閥閲録」所収国司隼人家文書の、寛永二年(一六二五)八月一三日付御配所付立に「四百拾五石九斗七升弐合 玖珂郡久原村」と出るのが早い。久原を上下二村に分けたのは文化年間(一八〇四―一八)という。久原の由来については「注進案」に「当村往昔は椙杜庄柞原村と言しに、いつの頃よりか今の字に唱へ候訳其詳なる事は不相知候、和名抄に相見へ候玖珂柞原と相続候村にて御座候所、天文の兵乱に荒所と成りし故、其後久原の字に書替候歟と俚言に申伝候」とあり、「和名抄」の柞原くはら郷によるとする。

椙杜は慶長五年(一六〇〇)一一月、毛利氏より吉川広家へ領地を渡した時、繁沢元氏・天野元嘉・吉田元重の三名に対して四千三七〇石を「椙杜之内にて本郷之内を引合、可御配候」(吉川家文書)と断っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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