下本谷遺跡(読み)しもほんだにいせき

日本歴史地名大系 「下本谷遺跡」の解説

下本谷遺跡
しもほんだにいせき

[現在地名]三次市西酒屋町

三次盆地南縁突端の丘陵上にあり、古代三次郡の郡衙跡とされる。東一・五キロの丘陵地帯には六―八世紀の住居群が一〇〇棟以上発見されたまつさこ遺跡群があり、この辺りは三次盆地でも最も埋蔵文化財の豊富な地域として知られる。現在までの調査の結果、掘立柱建物一二棟、柵五条、土壙一六基などを検出。これらの建物は中央に広場を有し、コの字形に配列して柵で囲まれる形を呈することや、緑釉陶器・硯の出土などから郡衙の庁院部と考えられている。建物は庁屋・東の向屋・東の副屋・倉庫などにそれぞれ比定され、奈良時代末から平安時代初期にかけて四時期の建替えが想定された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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