下水内郡(読み)しもみのちぐん

日本歴史地名大系 「下水内郡」の解説

下水内郡
しもみのちぐん

面積:三〇五・〇六平方キロ
豊田とよた村・さかえ

県北東部に位置する郡。豊田村栄村二村によって構成されるが、両村は中央の飯山市によって南の豊田村と北の栄村とに分断され、飛地となっている。豊田村は斑尾まだらお山東麓と千曲川西岸沖積地に立地。栄村は関田せきだ山脈南麓と千曲川南岸沖積地、志久見しくみ川段丘及び上流山地、中津なかつ川上流山地を占める広大な村で上信越高原国立公園を含む。ただし栄村のうち千曲川の南方は昭和三一年(一九五六)まで下高井郡に属しさかい村と称した。郡内一帯は有数の豪雪地帯である。

現在の郡名は明治一一年(一八七八)古代からの水内郡が上・下二郡に分割された時に始まる(→水内郡

原始時代からの遺跡は各所に分布しているが、栄村では弥生時代の遺跡が発見されていない。

「延喜式」(兵部省)の信濃国駅馬に「麻続・曰理・多古・沼辺各五疋」とある道は、原初上今井かみいまい替佐かえさ穴田あなだ永江ながえから斑尾山東北麓のぬま沼辺ぬのへか)を経て北陸道水門みと・佐味の駅に結ばれたものとされている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報