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下流社会 かりゅうしゃかい

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知恵蔵2015の解説

下流社会

生活意欲や学ぶ意欲、働く意欲が欠如した新しい階層によって形成される社会をいう。三浦展が『下流社会』(2005年)で作りだした用語。労働に対する価値観が変化し、生きる意欲を失った若い世代が増加していることに対して警鐘を鳴らしたものである。この言葉の流行は、ひきこもりやニートフリーターなどの増加に対する社会全体の不安を表している。こうした階層が実際に出現しているかどうかは確認されていないが、終身雇用制年功序列に基づく労働環境が解体されつつあるなか、社会的格差の拡大に対する懸念は確実に広がってきている。中流の崩壊については、実は1980年代以降何度も話題となってきた。すなわち、中流意識を持った階層が、「グローバリズム」や「競争社会」の中で勝ち組と負け組に二極化し、それぞれが新しい固定的な階層として確定する、という現在とほとんど同じ議論が展開されている。そこでは大きく分けて、所得格差、世代間の地位格差と学歴格差の再生産という3つの不平等の拡大が取り上げられてきた。現在、実際に下流社会化が進行しているのかについては実証的に検証する必要がある。

(野口勝三 京都精華大学助教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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