…下田の地名の由来は,本郷(旧稲生沢(いのうざわ))に対して下手の海辺にあたり,〈低田〉の意味から〈下田〉になったといわれる。稲生沢川河口の下田港は江戸と大坂を結ぶ航路の要衝にあり,回船の風待港,避難港として重視され,江戸時代には下田奉行所が置かれた。1854年(安政1)日米和親条約の締結によって開港場となり,59年の閉鎖まで下田は日本外交の中心となった。…
…また長い海岸線は漁業の発達に適し,近海カツオ漁業が盛んで,土佐清水,宇佐(土佐市),室戸などの漁港が著名であるが,近時は,室戸をはじめ土佐湾東部の漁港には遠洋マグロ船が多く,南太平洋をはじめインド洋,大西洋まで出漁している。中世の対明貿易の南海路にあたり,四万十川河口の下田港(現,中村市)がその寄航地となった点や,1596年(慶長1)のスペイン船サン・フェリペ号浦戸漂着はじめ異国船の漂着,幕末の中浜万次郎の物語なども含めて,土佐湾が太平洋に大きく開いている地理的条件は,時代をこえて,土佐の性格にさまざまな影響を与えている。 一方,県域の大部分を占める四国山地の山間部は,中世以降傾斜地の焼畑による耕地化などで開発が進展した。…
※「下田港」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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