不健全図書(読み)ふけんぜんとしょ

知恵蔵「不健全図書」の解説

不健全図書

地方自治体それぞれが制定する青少年健全育成条例(または青少年保護育成条例)に基づき、「18歳未満の青少年の健全な育成を阻害する」として不健全(有害)指定され、青少年への販売、配布、閲覧が禁止される図書類(書籍、雑誌、文書、図画、写真、ビデオソフト、コンピューターソフト、その他の電磁記録媒体など)。地方自治体ごとに基準を定めているが、概ね「内容が著しく性的感情を刺激し、甚だしく残虐性を助長し、又は著しく自殺もしくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」(東京都の同条例)。不健全指定図書類は次のように決められ、規制される。(1)各都道府県の担当職員が書店などで指定図書類候補を購入収集。(2)候補の中から同職員らが選別し、青少年健全育成審議会に諮問。(3)審議会が審査、指定図書類を答申。(4)指定図書類は公報で告示し、販売業者らへ通知。(5)指定図書類は、青少年への販売を禁止し、店頭で閲覧できないように現品への包装措置(帯封=帯紙措置、シール止め)や、一般図書類との区分陳列(ゾーニング)が義務づけられる。同審議会での不健全指定を避けるため、出版業界では出版倫理協議会(日本雑誌協会、日本書籍出版協会、日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会で構成)の自主基準および発行者側の自主規制によって不健全指定されそうな図書類への表示図書措置(18歳未満への販売・閲覧を禁止する成人マーク措置)をとっている。また出版倫理協議会は、出版ゾーニング委員会(出倫協加盟団体や学識経験者らで構成)を設置。実効性のある区分陳列と成人マーク表示を促進する。それでも東京都は、同条例を改正(2004年7月施行)し、店頭の区分陳列を監視する青少年健全育成協力員(都が委嘱した地域ごとのボランティア)配置など一層規制を強化。大手コンビニ加入の日本フランチャイズチェーン協会も、不健全指定図書類を不扱いとした。

(村上信明 出版流通ライター / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)「不健全図書」の解説

不健全図書
ふけんぜんとしょ

18歳未満の青少年の健全な育成を阻害するものとして、地方自治体の首長や議会が制定する青少年健全育成条例、青少年保護育成条例などに基づいて指定される図書。有害図書ともいう。自治体内の書店や図書館などにおいて、18歳未満への販売、配布、閲覧が禁じられる。対象となる図書は書籍や雑誌だけでなく、文書、図画、写真、ビデオソフト、コンピュータソフトなどのデジタルコンテンツも含まれる。地方自治体ごとに基準が定められているが、おおむね性的感情を刺激するもの、はなはだしく残虐な表現が含まれているもの、自殺や犯罪を誘発するものなどが多い。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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