不成者(読み)ならずもの

精選版 日本国語大辞典 「不成者」の意味・読み・例文・類語

ならず‐もの【不成者】

〘名〙
① 暮らしが思うようにならない者。生活が不如意な者。
※俳諧・沙金袋(1657)夏「身すぎをもしらぬ小梅やならすもの〈正伯〉」
談義本・教訓雑長持(1752)五「一盛は世に鳴し者なれど、今は打てもたたいても、一文なしのならず者
② 手のつけようがないほどたちの悪い者。手におえない人。道楽者。ならず。ならずめ。
※波形本狂言・因幡堂(室町末‐近世初)「それがしが妻はとっとならず者で」
定職がなく、放浪して悪事をはたらく者。ごろつき無頼漢やくざ。〔和英語林集成初版)(1867)〕
※大阪穴探(1884)〈堀部朔良〉一四破落戸(ナラズモノ)は、一に遊人とも云ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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