知恵蔵 「世界の活火山」の解説 世界の活火山 世界には800以上の活火山がある。比較的最近の噴火活動で、話題になる火山を挙げる。フィリピンのピナツボ山は1991年の大噴火で6立方キロものマグマを噴出し、噴煙は35kmの高さに達して円盤状に広がった。事前に噴火の発生が警告され、適切な避難行動がとられたため、噴火の規模の割には被害が少なかった。コロンビアのネバドデルルイス火山では、85年の噴火で発生した融雪泥流がアルメロ市を襲い、約2万5000人の死者が出た。米国北西部のセントヘレンズ山は80年に山体崩壊を起こし、直後の激しい爆発で衝撃波が発生し、半径30kmもの範囲で樹木をなぎ倒した。イタリアのエトナ山、ハワイ島、アイスランド、インド洋のレユニオン島などのホットスポット火山も、主に溶岩流を噴出する噴火を高頻度で繰り返している。 (井田喜明 東京大学名誉教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by