世界政府運動(読み)せかいせいふうんどう(その他表記)world government movement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世界政府運動」の意味・わかりやすい解説

世界政府運動
せかいせいふうんどう
world government movement

現在各国家がもっている主権をまったく,あるいは相当程度に放棄し,そのうえに超国家的な政治組織である世界政府をつくり,地球上から戦争をなくそうとする運動。世界政府の思想は古くからあるが,明確な構想としては 1939年に出版された C.ストレート著書『今こそ連邦を』 Union Nowなどが高く評価されている。第2次世界大戦後,原子爆弾出現が一つの大きな契機となって,アメリカ,西ヨーロッパ諸国などで世界政府運動が展開され,それが他の地域にも広がっていった。その構想にはいろいろあるが,一般的には世界政府の権限を最大限にしようとする最大限論と,戦争防止に必要な権限だけを世界政府にゆだねようとする最小限論との対立が目立つ。しかし現実の諸矛盾や政治的,経済的対立を軽視して世界機構をつくろうとするのは無理との批判もある。この構想には連邦形式 (世界連邦) を考えているものが多く世界連邦建設を目指す国際的民間団体に世界連邦運動がある。

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