世界産業別労働者組合(読み)せかいさんぎょうべつろうどうしゃくみあい(英語表記)Industrial Workers of the World

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

世界産業別労働者組合
せかいさんぎょうべつろうどうしゃくみあい
Industrial Workers of the World

略称IWW。1905年にダニエル・デ・レオン、ウィリアム・ヘイウッドらにより組織されたアメリカ合衆国最初の産業別労働組合連合体。アメリカ労働総同盟(AFL)の保守的指導に飽き足らない西部鉱山労働者連盟、統一金属労組など七団体5万人が、全労働者の産業別組織化、資本主義制度廃止を目的とする革命的労働組合運動の確立を目ざして結集したが、翌06年には西部鉱山労働者連盟が脱退、08年にはデ・レオン派が分裂して、組織の指導権はアナルコ・サンジカリストが掌握した。組合員はウォブリーズwobbliesとよばれ、日本でもよく知られている『赤旗の歌』The Red Flagなど労働歌を多用し、西部の日雇い、出稼ぎ労働者を中心に激しいストライキ闘争やサボタージュ闘争を指導して、12年には組織人員も10万に増えた。しかし組織づくりを重視せず、また第一次世界大戦中の反戦闘争を理由に政府の弾圧を受け、そのうえ積極分子の多くが共産党に移ったこともあって、戦後は急激に力を失い、30年以後は組織は名ばかりのものとなった。しかし不熟練労働者や黒人労働者の組織化に手をつけ、産業別組合主義を持ち込むなど、アメリカ労働組合運動の発展に大きな足跡を残した。[中林賢二郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例