朝日日本歴史人物事典 「中原師守」の解説
中原師守
南北朝期の明法官人。父は大外記師右。北朝にあって大炊頭,権少外記を歴任。建武4/延元2(1337)年に雅楽頭を兼ね,翌年少外記に転じ,のち主計権助,主税頭となる。大外記の職を父から継ぎ,光厳上皇に仕えた兄の師茂を終生補佐した。その兄を「家君」と称して綴った日記『師守記』は,北朝の朝儀・公事を中心にした記録で,南北朝内乱期の公武の政治,軍事を知るうえで貴重な史料である。『外記補任』の応安3/建徳1(1370)年嗣子師豊の尻付に「故主税頭師守男」とあり,それ以前に死去していたとみられる。<参考文献>小林花子『師守記』解題(『史料纂集』)
(小森正明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報