朝日日本歴史人物事典 「中山吉成」の解説
中山吉成
生年:生年不詳
江戸前期の槍術家。通称新左衛門,源右衛門,のちに源兵衛。出生は元和末期とも。父は竹内流の中山角兵衛家吉。下総国関宿(千葉県)で成長し,幼時より父に竹内流槍術を学んだ。さらに諸流を学び,得失を取捨して竹内流を改め,風伝流を称した。竹内流全長1丈(約3m)の素槍を全長1丈2尺(約3.6m)に伸ばして利を求め,流名は風の本体とその働きになぞらえたとされる。気息への深い理解がうかがえる。致仕,浪人を繰り返し,関宿藩主小笠原政信の没後は越前大野,寛文2(1662)年に近江彦根,同7年美濃大垣,天和2(1682)年播州明石と各地を転々とするが,門下に恵まれてその伝系は時とともに各地に流布した。
(松井健二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報