中岡艮一(読み)ナカオカ コンイチ

20世紀日本人名事典 「中岡艮一」の解説

中岡 艮一
ナカオカ コンイチ

明治・大正期のテロリスト 原敬首相暗殺犯。



生年
明治36(1903)年10月12日

没年
昭和55(1980)年10月18日

出生地
群馬県

学歴〔年〕
西巣鴨高等小学校中退

経歴
印刷会社の見習工のあと東京・大塚駅で転轍手見習となる。大正10年11月4日、18歳のとき、政友会近畿大会に向かう原敬首相を東京駅で待ち伏せ刺殺。背後関係不明のまま無期懲役となったが、3回の恩赦で、昭和9年には出所した。映画好きの文学少年だった半面、時事問題にも興味を持ち、政友会の絶対多数の上にあぐらをかく原首相の“横暴”に反感を持つ一方、東京市の疑獄事件や、ロシアのニコライエフスク港での邦人虐殺(尼港事件)には悲憤慷慨していたという。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中岡艮一」の解説

中岡艮一 なかおか-こんいち

1903-? 大正時代鉄道員
明治36年10月12日生まれ。父の転職にともない上京,印刷会社をへて大正8年から山手線大塚駅につとめ,10年転轍(てんてつ)手となる。同年11月4日首相で政友会総裁の原敬を東京駅で刺殺し,無期懲役となる。昭和9年恩赦で出所した。栃木県出身。著作回想録「鉄窓十三年」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の中岡艮一の言及

【原敬】より

…しかし力の政治にひそむ腐敗は,満鉄事件,アヘン事件など政友会関係者の疑獄事件になってあらわれ,前内閣以来のシベリア出兵も尼港事件で破綻を示し,民心は去った。ワシントン会議と戦後不況に直面して政策転換を模索中,1921年11月4日,政友会京都支部大会出席のため東京駅改札口(南口)にさしかかったとき,大塚駅員中岡艮一(こんいち)の短刀に刺されて死去した。盛岡市大慈寺に葬られる。…

※「中岡艮一」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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