中村川(読み)なかむらがわ

日本歴史地名大系 「中村川」の解説

中村川
なかむらがわ

岩木山南西麓の四郎兵衛しろべえ森・乱岩みだれいわノ森一帯を水源とし、鰺ヶ沢町を南北に貫流し、鰺ヶ沢町の中心街と舞戸まいど町の間で日本海に注ぐ。

正保二年(一六四五)の津軽郡之絵図に中村川とあり、河口を挟んで鰺ヶ沢村と舞戸村の間に橋が架けられており、上流西岸に中村・浜横沢はまよこさわ村が描かれる。菅江真澄の「外浜奇勝」に「中邑川の水上わたり滝の沢のやかたを左になして、古館とて、やかたあるもとより七曲りといふつゞらを過て」とある。

中村川
なかむらがわ

近世初頭の庄川東遷以前、北西へ流れていた庄川の旧分流の一つ。庄川扇状地扇央部の旧中村(近世の神島・中神・東中・西中・下中の各村など)方面へ流れていたのでこの名がある。流路ははっきりしないが、鷹栖口たかのすぐち用水の縦口、若林口わかばやしぐち用水は当川流路を整備してつくられた用水である。「三州旧蹟志」には当川の下流切田きりた(のちの岸渡川)について、「庄川弁才天前はせの上より川形有之」とし、水宮みずのみや村領の上より諸所の用水落水が川となっているのを中村川と称し矢部やべ(現福岡町)よりは切田川となると記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報