日本歴史地名大系 「中沼新田」の解説 中沼新田なかぬましんでん 茨城県:結城郡石下町中沼新田[現在地名]石下町中沼蔵持村(くらもちむら)新田の西に所在。「結城郡案内記」によれば往古は中沼と称される沼で、明和三年(一七六六)の開発によってできた新田村。この開発に功労のあったのは古間木(ふるまぎ)村の渡辺長右衛門、古間木沼(ふるまぎぬま)新田の犬塚権兵衛、蔵持村の渡辺源左衛門、杉山(すぎやま)村(のち当新田に移住)の斎藤小右衛門の四人。開発は中沼の滞水を東仁連(ひがしにれ)川へ落すために比高差一〇メートル以上、延長約三〇〇メートルの台地を掘切る工事から始められた。工事は困難を極めたが、監督役人は見せしめのため、怠けた人夫の首をはね、さらし首にするとともに、規則を厳しくし厳罰をもって臨んだので、さしもの難工事も竣工し沼内の水抜きに成功したと伝えられる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報