中津屋村(読み)なかつやむら

日本歴史地名大系 「中津屋村」の解説

中津屋村
なかつやむら

[現在地名]白鳥町中津屋

現白鳥町の最南端に位置し、長良川左岸の段丘平野に立地。長良川支流和田わだ川の北に集落がある。白山長滝はくさんながたき神社の延年の舞の「しろすり」の言立のなかに「下は中津屋和田川限り」とある。当地は中世長滝ちようりゆう寺の寺領の南限であったと考えられる。戦国時代当地に別府氏が居住(「遠藤記」慈恩寺蔵)。別府喜四郎の屋敷跡は現国道一五六号西側の長良川沿いの田の中にある。木製香炉台(安養寺蔵)の底面朱漆銘に、天正一一年(一五八三)一〇月二五日中津屋住の古屋八郎兵衛作とみえる。

遠藤氏入封後、村山氏が当村を知行所として拝領した(「村山家勤仕之覚」白鳥町史)

中津屋村
なかつやむら

[現在地名]杵築市船部ふなべ

荒平あらひら村の北東鴨川かもがわ村の北方に位置する。北に急斜面の山があり、南にゆるやかに緩傾斜した高原に住居が点在する。古くは尾上おかみ村と山越えの道があり、船部組に属していたが、現在は溝井乙王の小平みぞいおとうのこだいら地区と生活圏を同じくする。文禄二年(一五九三)八月二〇日の「速見郡木付庄中津村」の田方と畑方の検地帳(永青文庫)が残り、これは当村のものと思われ、田五町五反余・畑六町五反余とある。また名請百姓に村内の地名が注記され、のちの周辺村落の名称がみえ、「中つ屋村」「中ツヤノ村」などともある。小倉藩慶長人畜改帳では木付上きつきかみ庄に属し、家数六・人数一六(うち本百姓二・禅門一)、牛六とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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