町人請負新田(読み)ちょうにんうけおいしんでん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

町人請負新田
ちょうにんうけおいしんでん

江戸時代の新田の一つ。財力のある町人が開発の主導者として請負って開発した新田をいう。元禄年間 (1688~1704) 頃から盛んとなり,幕府も享保7 (22) 年それを奨励した。開発者は地主として新田百姓から小作料を徴収し,寄生地主化した (→寄生地主制 ) 。

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大辞林 第三版の解説

ちょうにんうけおいしんでん【町人請負新田】

江戸時代、富裕な町人が開発を請け負った新田。請負人が耕作人より小作料をとり、年貢を納めたが、商業資本の農村支配を促進する要素となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

町人請負新田
ちょうにんうけおいしんでん

有力町人が領主に請負金を納めて開発する新田。農民は小作人となる。[編集部]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ちょうにんうけおい‐しんでん チャウニンうけおひ‥【町人請負新田】

〘名〙 江戸時代、富裕な町人が出資して開墾した新田。最初は、開墾した後に売却して資金を回収したが、後にはその新田の地主となって小作料を取るようになった。

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世界大百科事典内の町人請負新田の言及

【川口新田】より

…大坂川口海表新田ともいい,現大阪市西部一帯で江戸初期から幕末まで,およそ260年間にわたって開発された諸新田の総称。大阪湾岸河口部の沼沢地やデルタは,大阪平野のうちでは最も新しい沖積層で,陸化の進行にともない,1600年代の初めごろから,干拓にともなう新田の開発が進められたが,元禄年間(1688‐1704)になると,大坂三郷に通ずる諸河川の源流から放出される土砂は,木津川,安治川,尻無川,伝法川などに堆積し,川口への舟運が不便になった。…

【鴻池新田】より

…大坂の豪商鴻池家の3代目善右衛門宗利の資力によって旧大和川支流(玉串川)の流末沼沢地の一部を干拓して造成した。町人請負新田の代表例とされている。開発経緯は,05年正月に地代金を上納,同年5月着工,鍬下年季年を経て07年8月に完成した。…

【地主】より

…近世の地主はその発生要因から新田開発地主,土地集積地主に大別され,その身分関係からは郷士地主,普通地主,寺院地主,村地主などに分類できる。 新田開発地主は近世初頭の土豪開発新田や中期以降の村請新田,百姓寄合新田,町人請負新田などによって田畑屋敷地の所持面積を広げ,小作経営を拡大していったものである。土豪開発新田は兵農分離過程で武士層に上昇しえず,主家の没落によって,もしくはみずから土着の道を選んで在地化した階層によるものである。…

【新田開発】より

…中期以降には,有力商人が資本の投資対象を流通過程のみならず新田経営にも求めるようになる。これが町人請負新田である。資力のある商人が当初から利殖を目的として,幕府や諸藩に一定の開発権利権(地代金,敷金)を支払って開発を認可され,多量の資金・労働力を投下して耕地造成を行い,新田小作人から小作料を徴収する寄生地主となった。…

※「町人請負新田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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