中立法規(読み)チュウリツホウキ

デジタル大辞泉 「中立法規」の意味・読み・例文・類語

ちゅうりつ‐ほうき〔‐ハフキ〕【中立法規】

中立に関する国際法上の規則総称中立国交戦国攻撃を受けず、その領土を侵されることはないが、交戦国に対して戦争遂行上の便宜・援助を与えてはならないとされる。1907年のハーグ平和会議で成文化された。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「中立法規」の意味・読み・例文・類語

ちゅうりつ‐ほうき‥ハフキ【中立法規】

  1. 〘 名詞 〙 中立に関する国際法上の規則の総称。中立国と交戦国との関係、中立国の権利義務責任などを定める。一九〇七年のハーグ平和会議で成文化された。→交戦法規

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中立法規」の意味・わかりやすい解説

中立法規
ちゅうりつほうき
law of neutrality

戦時国際法なかで,交戦国と中立国との関係を規定する諸法規。戦争法にいう中立法規は,1907年にハーグで締結された「陸戦ノ場合ニ於ケル中立国及中立人ノ権利義務ニ関スル条約」および,「海戦ノ場合ニ於ケル中立国ノ権利義務ニ関スル条約」の2つである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の中立法規の言及

【国際法】より

… この時期は,ヨーロッパの先進諸国が資本主義の発達に伴い軍事力を背景として海外に進出していった時代で,戦争を国家目的実現の一手段とみる無差別戦争観が正戦論に代わって支配的になった(戦争)。また,戦争の際に中立国の商業活動を擁護するための中立法規も発達した。
[国際法の現代的変容]
 19世紀の後半から20世紀にかけて,国際社会は大きな変容の時期を迎える。…

【戦時国際法】より

…戦時に諸国間に適用される国際法規の総称であり,平時に諸国間の関係を規律するいわゆる平時国際法(国際法)と対置される概念である。戦時国際法は戦争状態を前提とし,その状態の下で交戦国間の敵対行為等を規制する戦争法規ないし交戦法規と,交戦国と中立国間に適用される中立法規とからなる(中立)。 国際法は,沿革的には中世末期以来まずヨーロッパの騎士道精神やキリスト教の影響の下に,またローマ法や教会法の諸概念を援用しつつ,戦争法規として形成されはじめた。…

※「中立法規」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android