中臈(読み)ちゅうろう

精選版 日本国語大辞典 「中臈」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐ろう‥ラフ【中臈】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 出家受戒後の安居(あんご)の功を積んだ年数によって上・中・下と分けた、その中位に位するもの。これによって僧の席次が定まる。
    1. [初出の実例]「三綱 勾当〈各法眼平袈裟〉 中臈〈鈍色五帖〉 方広衆〈附衣五帖〉」(出典:東大寺続要録(1281‐1300頃)諸会篇)
  3. 官位や地位の高くも低くもない、中流の者。
    1. [初出の実例]「内・東宮の殿上人残るもなくつどひたり。〈略〉上らうは五貫、中らうは三貫、下らうは壱貫づつ給ふ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)あて宮)
  4. 平安時代以降、後宮などに仕える女房のうち、中位の階層のもの。上臈・小上臈の下、下臈の上。中臈女房。
    1. [初出の実例]「上らう中らうのほどぞ、あまり引き入りざうずめきてのみ侍るめる」(出典:紫式部日記(1010頃か)消息文)
  5. 室町時代、武家の奥向きに奉仕する女中。御中(おなか)
  6. 江戸時代、幕府の奥向きに仕えた女中。上臈・年寄などの下。また、大名の奥女中をもさす。
    1. [初出の実例]「大奥女儀の昇進〈略〉御中臈」(出典:明良帯録(1814)余篇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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