朝日日本歴史人物事典 「中院通冬」の解説
中院通冬
生年:正和4(1315)
南北朝期の公卿。父は内大臣通顕,母は白拍子明一。正和5(1316)年叙爵。元徳2(1330)年参議。正慶1/元弘2(1332)年権中納言。暦応2/延元4(1339)年に淳和院別当,翌年従二位,奨学院別当,権大納言を歴任。康永1/興国3(1342)年正二位,氏長者となり,貞和5/正平4(1349)年大納言に任ぜられる。貞治2/正平18年閏1月24日,従一位に昇り,翌日没。南北両朝の間を移り,三条公忠の『後愚昧記』に「進退不落居」と評された。揃ってはいないが,建武3/延元1(1336)年から貞和5/正平4年におよぶ,南北朝期の動きがうかがえる日記『中院一品記』がある。
(相馬万里子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報