ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビッラーニ」の意味・わかりやすい解説
ビッラーニ
Villani, Giovanni
[没]1348. フィレンツェ
イタリア,フィレンツェの年代記作者。庶民出身の商人で,最初ペルッツィ家の金融業に関係してヨーロッパ各地を旅した。 1308年フィレンツェに戻って市政に積極的に参与し,3度プリオレ (市執政官) に選ばれた。 1345年大金融業者バルディ家の破産と引き続く市財政の混乱の責任を問われて一時投獄された。 1348年黒死病で死亡。彼の残したフィレンツェ史のための『年代記』 Cronica (12巻) は 14世紀の代表的な歴史記述であり,市民生活に関する重要な史料である。この『年代記』は死後に弟マッテオ・ビッラーニ,その子フィリッポ・ビッラーニによって加筆された。
ビッラーニ
Villani, Matteo
[没]1363. フィレンツェ
イタリアの年代記作者。高名な年代記作者ジョバンニ・ビッラーニの弟。商人として青年時代にナポリやアビニョンなど,広く各地を旅行した。フィレンツェに戻ってから 1363年に皇帝派 (ギベリーニ) に属する理由で懲戒された。 1348年に黒死病で没した兄の『年代記』 Cronicaに,1363年までの 10巻を新たに書き加えた。自身も黒死病で死亡。
ビッラーニ
Villani, Nicola
[没]1636. ローマ
イタリアの詩人,評論家。ローマで人文主義者アカデミーに所属し,ダンテの『神曲』をめぐる論争などを活発に行なった。主著『ギリシア,ラテン,トスカナの喜劇詩について』 Ragionamento sopra la poesia giocosa de' Latini e de' Toscani (1634) 。
ビッラーニ
Villani, Filippo
[没]1410/1415
イタリア,ペルジャの市書記官。 1401~04年フィレンツェの学校でダンテ講読の教師。伯父 G.ビッラーニ,父 M.ビッラーニの『年代記』 Cronica (22巻) に 1364年の1巻を書き足した。
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