貞治(読み)じょうじ

精選版 日本国語大辞典 「貞治」の意味・読み・例文・類語

じょうじ ヂャウヂ【貞治】

南北朝時代北朝後光厳天皇の代の年号。南朝の後村上天皇の代の正平一七~二三年にあたる。康安二年(一三六二)九月二三日、天変・地震・疫病の流行により改元。将軍足利義詮執事斯波義将管領細川頼之の時代。貞治七年(一三六八)二月、応安(おうあん)と改元された。出典は「易経‐巽卦」に「利武人之貞、志治也」とあるのによる。

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デジタル大辞泉 「貞治」の意味・読み・例文・類語

じょうじ〔ヂヤウヂ〕【貞治】

南北朝時代、北朝後光厳天皇の時の年号。1362年9月23日~1368年2月18日。

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日本の元号がわかる事典 「貞治」の解説

じょうじ【貞治】

日本の元号(年号)。室町時代(南北朝時代)の1362年から1368年まで、後光厳(ごこうごん)天皇の代の北朝が使用した元号。前元号は康安(こうあん)。次元号は応安(おうあん)。1362年(康安2)9月23日改元。天災の凶事を断ち切るために行われた(災異改元)。『周易(しゅうえき)』を出典とする命名。貞治年間の南朝の天皇は後村上(ごむらかみ)天皇。南朝では正平(しょうへい)(1346~1370年)の元号を使用した。室町幕府の将軍は足利義詮(よしあきら)(2代)、足利義満(よしみつ)(3代)。義詮の治世は、足利尊氏(たかうじ)(初代)以来の南朝との抗争が続き、また幕府内部でも権力闘争が絶えず、その隙を突いて南朝方に京都を占領されるなど不安定な時期が続いた。しかし、1363年(貞治2/正平18)には大内弘世(ひろよ)や山名時氏(ときうじ)が幕府に帰服するなど、しだいに政権基盤が安定していった。1366年(貞治5/正平21)、執事(後の管領)の斯波義将(しばよしゆき)とその父の有力守護大名の斯波高経(たかつね)が失脚する事件(貞治の政変)が起こった。翌1367年(貞治6/正平22)には、足利氏満(うじみつ)が鎌倉公方に就任したのに続き、義詮が嫡子の義満に将軍職を譲り、その後見として細川頼之(よりゆき)を管領に任命した。◇「ていじ」とも読む。

ていじ【貞治】

⇒貞治(じょうじ)

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