串浜村(読み)くしはまむら

日本歴史地名大系 「串浜村」の解説

串浜村
くしはまむら

[現在地名]勝浦市串浜

勝浦村北西、勝浦湾の北側に位置し、串浜浦がある。伊南房州通いなんぼうしゆうどおり往還は当地で汀沿いの松部まつべ村への道と、串浜坂越で内陸部を通り上野荒川うえのあらかわ村への道に分岐する。櫛浜とも記した。天正一九年(一五九一)と推定される二月三〇日の植村泰忠定書(覚翁寺文書)に「くしはま」とみえ、勝浦根小屋の市日には当地での売買が禁じられており、当時海付の郷村として交易が行われていたことが知られる(なおこの定書の年を慶長八年とする説もある)。天正一九年五月二一日泰忠は「くし者満」の平右衛門に中田二反を与え、文禄三年(一五九四)八月一日には「櫛浜之村之内出原」を目羅平右衛門と、息藤内四郎に永代与え、諸役免許としている(「植村泰忠宛行状」土屋家文書)。植村氏以後の領主変遷は勝浦村に同じ。元禄郷帳では高三八〇石余。寛政五年(一七九三)の上総国村高帳では同高で家数九九。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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