久峯観音堂(読み)ひさみねかんのんどう

日本歴史地名大系 「久峯観音堂」の解説

久峯観音堂
ひさみねかんのんどう

[現在地名]佐土原町下那珂

宮崎平野のほぼ中央部、東に向かって突き出た半島状の山上にあり、視界が開け眺望に優れている。宮崎七堂伽藍の一つで、江戸時代から参詣者が多い。棟上記(現西都市の黒貫寺観音堂に所在)によると、大悲山補陀洛院久峯寺と称し、百済からの渡来僧日羅の開基と伝える。長禄四年(一四六〇)九月二一日の水田及旦那売券(熊野那智大社文書)によれば、先達の権僧都湛重は伊予国一円の旦那職を華蔵院に七貫文で売却するにあたり、売却がうまく進まない場合は「日向国久峯の先達・八幡の先達」を相手先に差向けるといっている。久峯は熊野修験の盛んな場所であったとみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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