久津部村(読み)くつべむら

日本歴史地名大系 「久津部村」の解説

久津部村
くつべむら

[現在地名]袋井市国本くにもと

山名やまな郡に所属。下方丈しもほうじよう・上方丈両村の北に位置する。南境を東海道が通り、反所たんどころ村・袋井村を経て袋井宿に至る。沓部・久津辺とも記される。坂尻さかじり遺跡(古代佐野郡衙跡推定地)出土の奈良時代の須恵器に「朽辺」の墨書銘がある。天文八年(一五三九)九日晦日の今川義元判物写(土佐国蠧簡集残篇)に「遠江国久津部郷」とみえ、義元は近習の松井宗信の父兵庫助貞宗に、諸人への給分を除き給与している。永禄三年(一五六〇)一〇月二〇日、今川氏真は久津部郷三石の地ほかを松井又七郎に安堵している(「今川氏真判物」天野文書)。同年一二月九日、氏真は父松井宗信の討死の功に報いる増分を含め、久津部ほか遠江国の所領を息宗恒に安堵している(「今川氏真判物写」土佐国蠧簡集残篇)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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