九乳(読み)きゅうにゅう

精選版 日本国語大辞典 「九乳」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐にゅうキウ‥【九乳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鐘の上部にある九つのいぼ状の突起。きゅうじゅう。
    1. [初出の実例]「双眉僧老睡宵雪、九乳鐘鳴伝暁霜」(出典本朝無題詩(1162‐64頃)三・六波羅蜜寺対月〈中原広俊〉)
    2. [その他の文献]〔初学記‐楽部〕
  3. 鐘の異称。きゅうじゅう。
    1. [初出の実例]「霜不鐘、青腰猶催九乳之響」(出典:本朝文粋(1060頃)四・為貞信公辞太政大臣第三表〈大江朝綱〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の九乳の言及

【梵鐘】より

…俗に鐘,釣鐘(つりがね)とも呼ぶが,古くからその形状や由縁によって多くの異称がある。おもなものに突鐘(つきがね),洪鐘(こうしよう),撞鐘(どうしよう),鴻鐘(こうしよう),蒲牢(ほろう),鳧鐘(ふしよう),九乳(くにゆう),青石(せいせき),華鯨(かげい),霊鐘(れいしよう)などがあげられる。インドの仏寺で用いた打楽器をさす犍稚(かんち∥けんち)(犍椎(かんつい∥けんつい))も梵鐘の異称となっているが,インドには金属製の鐘がなかった。…

※「九乳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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