乳児死亡率(読み)にゅうじしぼうりつ

百科事典マイペディア 「乳児死亡率」の意味・わかりやすい解説

乳児死亡率【にゅうじしぼうりつ】

出生児1000人に対する1歳未満の乳児死亡率。乳児や幼児は栄養不足や病気などに対する抵抗力が大人に比べて弱いため,公衆衛生医学水準が低い場合,その死亡率が高くなる。日本の乳児死亡率は1960年には30を超えていたが,その後保健衛生や医学の進歩により急減し,1994年には4.2と先進国でも最低を示すようになった。発展途上国では今なお100を超えているところが多い。乳児死亡率の低下出生率の低下に連動することが立証されており,過剰人口圧力を抑制するために,出生率を低下させる一つの有力な方途としても,乳児死亡率の改善が要請されている。なお原因不明で乳児が突然死亡するSIDS乳幼児突然死症候群)が近年増加し,1996年の統計では日本全国で526人(出生児1000人に対して0.44)に達した。
→関連項目人口革命

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栄養・生化学辞典 「乳児死亡率」の解説

乳児死亡率

 生後1年未満に死亡した乳児の死亡率.出生1000に対する数値で示す.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の乳児死亡率の言及

【人口】より

…しかし,このことは決して容易なことではない。たとえば,乳児死亡率(出生数1000人に対する出生後1年未満死亡の乳児死亡数の割合)は1960年代においてかなりの改善がみられたが(1960‐65年の130.4から1965‐70年の117.5へと約10%の低下),1970年代においては改善は鈍化している(1970‐75年の106.4から1975‐80年の100.4へと5.6%の低下)。先進諸国における乳児死亡率も,1970‐75年の21.5から1975‐80年の19.3へと,それ以前の時期に比較すると低下傾向は著しく鈍化している。…

【母子保健】より

…具体的内容としては,感染症の予防,栄養の問題,事故の予防,先天異常・心身障害の予防,母子の精神衛生,母子をとりまく物理・化学的環境の問題,社会的環境の問題,母子保健システム,地域母子保健管理,母子保健サービス,母子福祉などがある。 歴史的には,大正時代に,当時出生1000対170もの高い乳児死亡率を減少させるため保健衛生調査会や小児保健所が設立されたのがその始まりといえる。その後1937年に保健所法が制定され,妊産婦と乳幼児の保健指導が結核とともに保健所の重要な事業とされた。…

※「乳児死亡率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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