デジタル大辞泉
「乳幼児突然死症候群」の意味・読み・例文・類語
にゅうようじ‐とつぜんししょうこうぐん〔ニユウエウジトツゼンシシヤウコウグン〕【乳幼児突然死症候群】
今まで元気であった乳幼児 が、何の兆候 も既往歴 もないまま、主に睡眠中に突然死ぬ疾患 。原則 として1歳未満の乳幼児にいう。解剖 検査でも原因 が特定できない。日本 では4000人に一人 の割合 で発症するといわれる。SIDS (sudden infant death syndrome)。
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乳幼児突然死症候群(SIDS)
予兆や既往歴がないまま乳幼児が突然亡くなる、原因不明の病気 。厚生労働省 によると、SIDSは2018年に全国で約60件発生し、乳児期 の死亡原因では第4位となっている。窒息などの事故とは異なる。発症リスクを低くするため、厚労省 は赤ちゃん をあおむけで寝かせることや母乳で育てることを推奨。妊婦や乳幼児の周りにいる人の禁煙も呼び掛けている。
更新日:2020年10月24日
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説 共同通信ニュース用語解説について 情報
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乳幼児突然死症候群 にゅうようじとつぜんししょうこうぐん Sudden Infant Death Syndrome
欧文表記の頭文字 を並べてSIDS(シズ )ともいう。SIDSは、それまで元気であった乳幼児が、おもに睡眠中に突然死亡する疾患であり、生後3~4か月をピーク として、生後6か月までにその8割が、そのほとんどが1歳までに発生する。原因は、睡眠中におこる生理的範囲の無呼吸 から、自然回復する機構である覚醒反応 が遅延するために死に至ると考えられている。
うつぶせ寝、妊娠中や子育て中の母親 および周囲の喫煙 、母乳以外の栄養法などが、その発生頻度を高めていることが知られており、それらの危険因子 について啓蒙(けいもう)する予防キャンペーンによって、近年その発生頻度は大幅に減少している。わが国における2002年度(平成14)の発生頻度は、出生4000に対し1名程度となっている。元気であった子供の突然の死亡であるところから、窒息事故や虐待との鑑別 が必要である。また、この疾患に対する理解が不十分であるところから、日本においては裁判で争われる例が少なくない。その発生のほとんどが自宅や養育施設であるところから、母親をはじめその児の養育者が、突然子供を失ったという悲しみに加え、養育のミスではないかという自責の念や、周囲からの非難を浴びることが多く、そのような養育者を精神的にサポートするため、日本でもSIDS家族の会SIDS Family Association japanが結成されている。
[仁志田博司]
『仁志田博司著『SIDSの手引――乳幼児突然死症候群』(1993・東京医学社)』 ▽『仁志田博司著『乳幼児突然死症候群とその家族のために』(1995・東京書籍)』
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) 日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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知恵蔵
「乳幼児突然死症候群」の解説
乳幼児突然死症候群
特別な兆候もなく元気だった乳幼児が突然死亡してしまう病気。SIDSと略される。呼吸中枢 の機能の未熟 が原因と考えられている。発生予防として、生後6カ月までの健康な乳児 では、うつ伏せ寝を避ける、家庭での喫煙を避ける、母乳栄養 を推進するなどの啓蒙活動が行われ、この病気で死亡する乳幼児は年々減少してきている。2004年では19.1人(出生10万対)であったものが、05年では16.6人、06年では16.2人に減少している。日本では専門家の中にもSIDSを疾患と理解していない人たちがおり、窒息事故かSIDSか鑑別を巡る訴訟が少なからず起きている。また、児童虐待 との鑑別も問題とされることがある。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」 知恵蔵について 情報
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百科事典マイペディア
「乳幼児突然死症候群」の意味・わかりやすい解説
乳幼児突然死症候群【にゅうようじとつぜんししょうこうぐん】
SIDSともいう。健康と思われていた乳幼児が原因不明で突然死亡し,しかも死因となるほどの解剖的所見のないもの。生後1〜6ヵ月に多く,睡眠中に呼吸停止して死亡する例が多い。疾患として知られるようになってから例が増えているが,従来保育ミスによる事故死と思われていた例にはこのケースが多いのではないかともいわれる。 →関連項目乳児死亡率
出典 株式会社平凡社 百科事典マイペディアについて 情報
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にゅうようじとつぜんししょうこうぐん【乳幼児突然死症候群】
略語では「SIDS」(シズと呼ばれます)。それまで元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然、死亡してしまう病気です。毎年300~500人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっています。眠っている間に呼吸が止まってしまい、その状態から回復するのが遅いのが原因ではないか……とも考えられています。そのほとんどは生後6か月以内に起こっていますから、それまでは赤ちゃんを固めの布団に必ず「あおむけ」で寝かせ、常に大人がそばにいて、目を離さないようにしてあげましょう。
出典 母子衛生研究会 「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報
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乳幼児突然死症候群 にゅうようじとつぜんししょうこうぐん sudden infant death syndrome; SIDS
健康と思われていた乳幼児が突然死亡し解剖によっても全く原因がつかめないものをいう。生後1~4ヵ月の間に最も多く,冬に起こりやすい。欧米では乳幼児死亡原因のトップ。日本では比較的少ないものの,1980年ごろから増加傾向にあり,保育園やベビーホテルでも続発し問題となった。母親や保育士の不注意など,保育者が責められがちであるが,呼吸器障害の可能性も指摘されている。厚生労働省でも研究班をつくって原因究明に努めている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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