予兆や既往歴がないまま乳幼児が突然亡くなる、原因不明の病気。厚生労働省によると、SIDSは2018年に全国で約60件発生し、乳児期の死亡原因では第4位となっている。窒息などの事故とは異なる。発症リスクを低くするため、厚労省は赤ちゃんをあおむけで寝かせることや母乳で育てることを推奨。妊婦や乳幼児の周りにいる人の禁煙も呼び掛けている。
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欧文表記の頭文字を並べてSIDS(シズ)ともいう。SIDSは、それまで元気であった乳幼児が、おもに睡眠中に突然死亡する疾患であり、生後3~4か月をピークとして、生後6か月までにその8割が、そのほとんどが1歳までに発生する。原因は、睡眠中におこる生理的範囲の無呼吸から、自然回復する機構である覚醒反応が遅延するために死に至ると考えられている。
うつぶせ寝、妊娠中や子育て中の母親および周囲の喫煙、母乳以外の栄養法などが、その発生頻度を高めていることが知られており、それらの危険因子について啓蒙(けいもう)する予防キャンペーンによって、近年その発生頻度は大幅に減少している。わが国における2002年度(平成14)の発生頻度は、出生4000に対し1名程度となっている。元気であった子供の突然の死亡であるところから、窒息事故や虐待との鑑別が必要である。また、この疾患に対する理解が不十分であるところから、日本においては裁判で争われる例が少なくない。その発生のほとんどが自宅や養育施設であるところから、母親をはじめその児の養育者が、突然子供を失ったという悲しみに加え、養育のミスではないかという自責の念や、周囲からの非難を浴びることが多く、そのような養育者を精神的にサポートするため、日本でもSIDS家族の会SIDS Family Association japanが結成されている。
[仁志田博司]
『仁志田博司著『SIDSの手引――乳幼児突然死症候群』(1993・東京医学社)』▽『仁志田博司著『乳幼児突然死症候群とその家族のために』(1995・東京書籍)』
(中村敬 大正大学人間学部人間福祉学科教授 / 2008年)
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出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報
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