亀山郷(読み)かめやまごう

日本歴史地名大系 「亀山郷」の解説

亀山郷
かめやまごう

小櫃おびつ川上流域、現平山ひらやま広岡ひろおかささなどの一帯に比定される。熊野山領畔蒜あびる庄のうち南庄に属し、地頭職は鎌倉円覚寺が保持した。弘安六年(一二八三)七月日の北条時宗申文(円覚寺文書)に「畔蒜南庄内亀山郷」とみえ、時宗は鎌倉円覚寺を将軍家の御願寺とし、当郷などを同寺に寄進することを幕府に求め、同月一六日寄進されている(「関東下知状」同文書)。畔蒜南庄は和田義盛支配下にあったが、建保元年(一二一三)の和田合戦によって幕府に没収され、北条氏領になったと思われる。寄進された弘安六年の秋には同郷から年貢米国枡で九九石五斗納入され、そのうち一年中の炭・薪賃として二五石、炭焼らの食料として四石が使用され、残り七〇石五斗(通常の枡で一四一石)と、国枡で大豆一〇〇石・薪三千九六〇駄・炭五〇〇駄を購入するための銭六八貫五八〇文が年貢として円覚寺に上納された(同年九月二七日「円覚寺米銭納下帳」円覚寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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