事業者団体法(読み)じぎょうしゃだんたいほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「事業者団体法」の意味・わかりやすい解説

事業者団体法
じぎょうしゃだんたいほう

昭和 23年法律 191号。独占禁止法の補助立法として制定された法律。同法は,「事業者団体の正当な活動範囲を定め,かつ,その公正取引委員会に対する届け出制を実施することをもって目的とする」ものであり (1条) ,事業者団体が,第2次世界大戦前,戦中統制経済体制下における統制のためのカルテルとしての役割を果したことに対する反省から,その活動をきわめて厳格に規制していた。しかし,1950年の改正を経て,大幅に緩和され,53年の独占禁止法の改正に伴い,廃止され,独占禁止法8条に吸収された。

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世界大百科事典(旧版)内の事業者団体法の言及

【事業者団体】より

…1948年に制定された事業者団体法によって創始された用語であり,アメリカのトレード・アソシエーションtrade associationに相当する。独占禁止法(1953年の改正の際,事業者団体法を吸収した)によれば,事業者団体とは,(1)主たる目的は事業者としての共通の利益の増進,(2)二つ以上の事業者の結合体,またはその連合体,(3)資本または構成事業者の出資を有しない,(4)営利を目的とする事業を営まない,の要件を充足するものをいう。…

【独占禁止法】より

… 1949年に一度小改正を施された後に,53年にはアメリカの対日政策の変更を受けて,日本の経済の実態にあわせて47年法を大幅に緩和する大改正が行われた。この改正によって,それまで独立の法律であった事業者団体法が廃止されて独占禁止法8条に統合され,事業能力の格差に基づく排除措置の規定は削除され,合理化カルテルや不況カルテル等の適用除外制度が設けられた(カルテル法)。 その後,昭和30年代の高度成長期には,多くの個別適用除外立法が制定されるなど,独占禁止法の運用は必ずしも活発にはなされなくなった。…

※「事業者団体法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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