国指定史跡ガイド 「二子塚古墳〈広島県〉」の解説
ふたごづかこふん【二子塚古墳〈広島県〉】
広島県福山市駅家町にある古墳。標高50m前後の低丘陵上に築かれた前方後円墳。発掘調査により、墳丘は全長68m、後円部径41m、高さ6.1mで、墳丘の周辺には幅1.6~4m、深さ1.8mほどの周濠がめぐり、備後(びんご)地域を代表する大規模な前方後円墳であることが明らかとなった。2009年(平成21)に国の史跡に指定された。前方部と後円部に横穴式石室が1基ずつあり、後円部の石室は両袖式で全長14.9m、玄室の長さ6.8m、幅2.1~2.6m、高さ3.3~3.4m、羨道(せんどう)の長さ8.1m、幅1.6~1.9m、高さ2.2~2.6mで、県内では最大級の規模である。また、播磨(はりま)の竜山石(たつやまいし)製の組み合わせ式石棺が出土している。副葬品として、須恵器(すえき)・鉄製武器・馬具などがある。なかでも、大刀の柄につける金銅製双龍環頭柄頭(そうりゅうかんとうつかがしら)は珍しい意匠で注目される。古墳の築造については、石室や副葬品から6世紀末から7世紀初頭ごろと考えられる。常時公開されているが、個人所有地である。JR福塩線近田駅から徒歩約8分。