二硫化炭素ガス中毒(読み)にりゅうかたんそがすちゅうどく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

二硫化炭素ガス中毒
にりゅうかたんそがすちゅうどく

二硫化炭素によるガス中毒で、おもに呼吸器から吸入されて、脂肪に富む組織、とくに中枢神経系に作用し、急性ないし亜急性、または慢性の中毒をおこす。二硫化炭素は無色揮発性の液体でクロロホルムのような臭気がある。優れた性質をもつ有機溶剤として、レーヨン製造、ゴム製品の製造、化学工場などで使用されている。急性中毒では頭痛やめまいなど、高濃度に吸入すると意識喪失、角膜反射消失、呼吸困難をおこす。意識が回復しても、てんかん、四肢の麻痺(まひ)などの後遺症を残すことがある。亜急性中毒では頭痛、倦怠(けんたい)感、いらいら、ゆううつ、性欲減退、食欲不振、全身衰弱などの症状がまず現れ、ついで無表情、妄想、幻覚などの精神障害の症状がみられる。慢性中毒は20~100ppmの二硫化炭素に数か月以上暴露したときにおこり、頭痛、倦怠感、胃痛などのほかに、多発性神経炎、腎(じん)障害などがみられる。なお、労働衛生上の許容濃度は20ppmである。[重田定義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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