二重織物(読み)フタエオリモノ

デジタル大辞泉 「二重織物」の意味・読み・例文・類語

ふたえ‐おりもの〔ふたへ‐〕【二重織物】

浮き織物地文の上に別糸で縫取織ぬいとりおりをして文様を織り出したもの。

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精選版 日本国語大辞典 「二重織物」の意味・読み・例文・類語

ふたえ‐おりものふたへ‥【二重織物】

  1. 〘 名詞 〙 文綾の上に縫取り文様を加えた織物。地文のある上に別糸で上文(うわもん)を織り出したことによる。ふたえ。
    1. [初出の実例]「龍胆のふたへをりものの指貫」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「二重織物」の意味・わかりやすい解説

二重織物
にじゅうおりもの

二色以上の色糸を使い、表裏二重組織からなる織物。この組織は、完全な一重織物を上下二枚合わせになるように、同時に製織したもので、経糸(たていと)のみで二重組織としたもの、あるいは緯糸(よこいと)のみで二重組織としたもの、また経緯糸を使い二重組織にしたものなどがあり、厚地織物、袋織物、両面織物などをつくるときに用いられる組織である。二色の色糸を使って両面織物としたものは、表出される文様が表裏互いに逆の配色となるものである。それには袋織、接結(せっけつ)二重織、芯入(しんいり)二重織、裏付二重織、風通二重織などとよばれるものがあり、また古くから風通あるいは風通織ともよんできたもので、名物裂(ぎれ)にもみられる。

 現在では、和服地について、風通縮緬(ちりめん)、風通お召(めし)などがあり、また広幅ものでは、絹のほかに、最近では、羊毛・化合繊のものがあり、高級婦人服などに使われる。

[角山幸洋]

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世界大百科事典(旧版)内の二重織物の言及

【二倍織物】より

…二重織物,二陪織物とも書く。紋織物の一種で,特に有職(ゆうそく)織物として知られる。…

※「二重織物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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