京方（読み）キョウガタ

デジタル大辞泉

きょう‐がた〔キヤウ‐〕【京方】

１ 京都方面。京の方角。
「我もとは上下の行所なりければ、もし―の者あるやとて」〈義経記・三〉
２ 京にある朝廷の味方。
「―へ御降参候を」〈伽・三人法師〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

きょう‐がた キャウ‥【京方】

〘名〙

① 都の方角。京の方面。京の方。

※室町殿日記（1602頃）六「義長逆心によって、諸事京方之通路万事あらため申候」

② 公家(くげ)。京家(きょうけ)。

※園太暦‐康永四年（1345）八月二九日「南廊武家之輩見物、北廊京方人人見物云云」

③ 京の天皇の味方。京の朝廷方。

※義経記（室町中か）三「若し京がたの者あるやとて」

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の京方の言及

【京都方】より

…のちに16世紀後期に至って，応仁の乱などによる旧来の宮廷所属楽人の離散を補う形で興福寺所属の南都方，四天王寺所属の天王寺方の楽人を加えて，三方楽所（さんぽうがくそ）という楽団が形成され，宮廷行事に従事した。京都方とは，三方楽所の構成員のうち旧来の宮廷所属の楽派をさし，京方，北京方または大内楽所ともいう。多（おおの），山井（やまのい），安倍，豊（ぶんの）の4家系から成る。…

※「京方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」