人権外交(読み)じんけんがいこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人権外交」の意味・わかりやすい解説

人権外交
じんけんがいこう

人権尊重の促進を主要目的の一つとする外交。このことばが注目されたのは 1977年に就任したアメリカ合衆国のジミー・カーター大統領が外交の重要課題として世界の人権尊重の促進を掲げてからであるが,実際はそれ以前にアメリカ議会が対外援助政策の目的に被援助国の人権擁護を導入している。また,やはり 1970年代,ヨーロッパ安全保障協力会議では主要三議題の一つに人権擁護を掲げるなど,ヨーロッパ諸国の人権に対する関心は高く,人権尊重は西側先進国の多くの外交の基本原則の一つとして定着している。しかし,発展途上国経済発展にはある程度の民主主義への制約が安定をもたらす場合が多く,先進国の人権外交と対立するケースも生じている。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「人権外交」の解説

人権外交(じんけんがいこう)
human right diplomacy

国際社会における人権尊重の推進を目的とする外交をいう。それは国連憲章が人権および基本的自由の擁護を国際社会の関心事項とみなしたことに始まるが,実際に人権外交という言葉が用いられるようになったのは,アメリカカーター大統領が,人権尊重を彼の外交政策の柱として掲げてからである。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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