人民の意志(読み)じんみんのいし[とう](英語表記)Narodnaya Volya

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人民の意志」の意味・わかりやすい解説

人民の意志(党)
じんみんのいし[とう]
Narodnaya Volya

19世紀後半のロシアの秘密政治結社。ロシア語でナロードナヤ・ボーリャ。 1879年 S.M.ソロビヨフの皇帝暗殺未遂事件を契機ナロードニキの「土地と自由 (党)」が「全土地割替」派と「人民意志 (党) 」に分裂したことによって誕生。「全土地割替」派がテロ行為を否定し,農民革命を目指す宣伝活動に運動の重点を移したのに対して,社会革命を実現するにはなによりもまず政治革命を行い,そのためにはテロ行為が重要な闘争手段であると考え,中央執行委員会のもとで上からの指令を絶対視する中央集権的な党となった。中央執行委員会はツァーリの生命に目標を定め,79年 11月皇帝列車に爆薬をしかけたり,80年2月冬宮の爆破を試みたりして,ついに 81年3月皇帝アレクサンドル2世の暗殺に成功した。しかし,この事件は人民を覚醒させることができず,専制政府の徹底的な弾圧を招く結果となり,84年までに組織は壊滅状態に陥った。

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デジタル大辞泉プラス 「人民の意志」の解説

人民の意志

1870年代にロシアで組織された革命結社、第2次「土地と自由」から、都市テロを肯定する一派が1879年に分裂して成立した、反体制テロ組織。1881年には皇帝アレクサンドル2世の暗殺に成功。

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