仁ノ村(読み)にのむら

日本歴史地名大系 「仁ノ村」の解説

仁ノ村
にのむら

[現在地名]春野町仁ノ

仁淀によど川河口左岸に位置し、南は砂浜の海岸で土佐湾に臨む。「土佐州郡志」は「東限甲殿村小松鼻馬路坂上、西限西畑国見森、南限海浜、北限秋山上、東西十六町南北十五町、其土多砂」と記す。「仁野村」とも記される(元禄郷帳)。天正一七年(一五八九)仲村郷仁ノ村西畑地検帳によると当村は在地領主小島氏の所領が目立つが、一部に森山氏の旧領が「森山分」として記される。森山分は検地時には長宗我部元親の弟香宗我部親泰の所領となっている。屋敷数八五で、うち「土ゐ」「中ノ土居」を中心とする付近に三六ある。「年廻作人有」の記載があるが、これは同一の土地を一年毎に交替で耕作したと考えられ、近世の田地割替制に先行するものとして注目される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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