日本歴史地名大系 「仁宇郷」の解説 仁宇郷にうごう 徳島県:那賀郡仁宇郷那賀川中流域から上流域に位置する現那賀郡相生(あいおい)町・上那賀(かみなか)町および木沢(きさわ)村に比定される。現鷲敷(わじき)町の蛭子(ひるこ)神社が所蔵していた文明八年(一四七六)六月一五日の仁宇郷公事銭注文(徴古雑抄)に郷名がみえる。この注文は郷内の支配・収取単位である名(四五)から徴収した公事銭を名ごとに書上げたもので公事銭額は合計二三貫七八三文となっている。その記載は有力農民の経営とみられる人名的な名(一二)を冒頭に、中分の名(一二)、奥分の名(一八)、奥名分の名(三)の順となっている。中分にみえる「はいきう」は現上那賀町拝宮(はいぎゆう)に、「ひま」は同町日真(ひま)に、「小浜」は同町小浜(こはま)に、「臼元谷」は同町臼(うす)ヶ谷(たに)に、「おん谷」は同町音谷(おんだに)に、「桜谷」は同町桜谷(さくらだに)にそれぞれ比定され、中分は上那賀町北東部一帯にあたる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by