日本大百科全書(ニッポニカ) 「上那賀」の意味・わかりやすい解説
上那賀
かみなか
徳島県中南部、那賀郡にあった旧町名(上那賀町(ちょう))。現在は那賀町の中南部を占める地域。旧上那賀町は、1957年(昭和32)町制施行。2005年(平成17)鷲敷(わじき)、相生(あいおい)の2町および木沢(きさわ)、木頭(きとう)の2村と合併して那賀町となった。国道193号と195号の分岐点にあたる。那賀川中流域にあり、木頭林業地帯の一部として古くから杉の造林が行われる。ユズを特産し、アマゴの養殖も盛ん。電源開発地帯で、1956年多目的ダムの長安口ダム(ながやすぐちだむ)が完成した。ダム付近に資料館(ビーバー館)がある。1892年(明治25)春森地区に起きた台風による山崩れは、死者63人、家屋流出15戸の大被害をもたらし「春森の潰え(はるもりのつえ)」とよばれる。最近では2004年に台風が連続して襲来し、大きな被害を受けている。
[高木秀樹]
『『上那賀町誌』(1982・上那賀町)』