仏日庵公物目録(読み)ぶつにちあんこうもつもくろく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仏日庵公物目録」の意味・わかりやすい解説

仏日庵公物目録
ぶつにちあんこうもつもくろく

北条時宗が開山した鎌倉円覚寺の塔頭 (たっちゅう) 仏日庵の財産目録。公物は「こうぶつ」とも読む。元応2 (1320) 年の目録を基に貞治2 (63) 年に住持法清が増減を付加した巻子本 (かんすぼん) 。同庵所蔵の頂相 (ちんぞう) ,絵画墨跡法衣陶磁器漆器などの品名列記。その多くは中国からの将来品と推定される。宋元画に関する最初の文献として貴重。

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世界大百科事典(旧版)内の仏日庵公物目録の言及

【唐物】より

…鎌倉時代に入ると,栄西による禅宗の招来をはじめ,中国の文化・文物のおびただしい流入があった。その具体的記録として鎌倉円覚寺の《仏日庵公物(ぶつにちあんくもつ)目録》貞治2年(1363)をあげることができる。室町幕府はさらに中国との交渉を深めたが,この段階では宗教よりも,絵画,磁器,漆器などの美術品に関心が移り,唐物は,これら美術工芸品を指す用語となった。…

※「仏日庵公物目録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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