出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
企業が作成基準日において所有するすべての財産と債務を記載した目録。財産とは、換金価値や担保価値のあるものをさし、債務とは法的な債務をさすので、いわゆる会計上の擬制資産である繰延資産や財産価値に関する計測が困難なブランド価値などの無形資産の一部、修繕引当金のような会計上の負債である債務性のない引当金等は記載項目から除外されることになる。
記載形式としては、決算日における実地棚卸に基づき確定した個々の財産や債務を銘柄別、種類別など詳細に把握し、記載する。
日本の旧商法は、財産計算重視の考え方から、開業ないし会社成立時、および毎決算時における財産目録の作成を義務づけていたが、1974年(昭和49)の商法の改正において、現在では財産目録の作成は必要とされなくなった。そのかわりに、複式簿記による継続的な取引記録を基礎として、その不備を補う手続として実地棚卸を行い、貸借対照表を作成することを原則としている。ただし、破産、会社の清算、会社更生の場合には、企業の財産状態の把握が必要なことから、財産目録の作成が要求されている(破産法153条2項、会社法492条、会社更生法83条2項など)。
[近田典行]
一定時点で企業が所有する積極財産(資産)と負担する消極財産(負債)とを,帳簿記録とは別に,実地棚卸しによって数量と金額を調べ一表に示したもの。この表の作成が法定化されたのは1673年のフランスの商業条例においてであり,それがドイツを通じ日本の商法にとり入れられた。しかし,この財産目録は静態論に基づくものであり,日本の商法も動態論的思考の導入により,1974年の改正で決算報告書としての作成は要求されないこととなった。
→財務諸表
執筆者:井上 良二
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…平均表としての貸借対照表は静的貸借対照表観のもとで財産状態を表示する。そのため作成方法は,積極財産を実地に調査(すなわち実地棚卸)してその数量と金額を一つ一つ計算し,財産目録の左側に記載し,消極財産も一つ一つ確定して右側に記載する。そして,左右を平均させるために左右の差額を少ない側に加えるという方法がとられた。…
…3,6条)として破産管財人の管理にゆだねられ,破産者はその管理処分権を奪われる(7条)。管財人は,まずこの価額を評価して財産目録を調整する(188,189条)。その結果は,第1回債権者集会で報告される(193条)。…
※「財産目録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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