デジタル大辞泉
「他し」の意味・読み・例文・類語
あだし【▽他し/▽異し】
[語素]《「あたし」とも》名詞の上に付いて、他の、よその、違っている、の意を表す。
「逢ひがたき君に逢へる夜ほととぎす―時ゆは今こそ鳴かめ」〈万・一九四七〉
[補説]一説に、シク活用形容詞ともされるが、「あだしく」「あだしき」などの確例はなく、「あだし妻」「あだし国人」など、他の名詞と合して用いられる。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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あだ
し【他・異・徒・空】
- 〘 形容詞シク活用 〙
- ① ( 他・異 ) ( 古くは「あたし」とも ) 異なっている。別のことである。
- [初出の実例]「他 アタシ ホカ」(出典:観智院本名義抄(1241))
- 「大同類聚方のただ一部今も世にのこれるを大綱にとりて、なほあだしもろもろの書どもにつきていささかも此の道によしある事のあらんを取りひろひ」(出典:志濃夫廼舎歌集(1868)襁褓草・詞書)
- ② ( 徒・空 ) はかない。変わりやすい。また、むなしい。実(じつ)がない。
- [初出の実例]「言の葉の末もいとあはれなるさまを、あだしくなさん事は、誠に鬼畜木石に異ならずと思ひ」(出典:御伽草子・小男の草子(室町))
- 「あだしこの身を煙となさば」(出典:歌謡・松の葉(1703)三・加賀ぶし)
他しの語誌
( 1 )形容動詞語幹の「あだ(徒)」に、形容詞語尾「し」がついて生じた語。ただし、中世以前は、形容詞としての独立性は希薄で、体言を修飾するのが通例。→あだし〔語素〕。
( 2 )②の挙例の「御伽草子・小男の草子」に至って形容詞と認められる例が出現する。
あだし【他・異・徒・空】
- 〘 造語要素 〙
- ① ( 他・異 ) ( 古くは「あたし」とも ) 名詞につけて、「ほかの、別の、異なった」の意を表わす。「あだし国」「あだし事」「あだし人」など。
- ② ( 徒・空 ) 名詞につけて、「移りやすい、はかない」、また、「浮気な、心の変わりやすい」の意を表わす。「あだし心」「あだし言葉」「あだし契り」「あだし情」など。
他しの語誌
「あだ」に、副助詞「し」がついた語、また、形容詞語尾「し」がついた語などといわれる。「あだ」と同じように使われるが、「あだ」の方が次の体言との熟合度が強い。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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